「転職をすること」で頭がいっぱいになってしまうと、それによって得られることやものばかりに意識がいってしまい勝ち。
「新しい仕事」、「新しい環境」、「新しい自分」。輝かしい未来に思いを馳せるのは良いことですが、転職によって
失ってしまうものも確実にあります。例えば環境。良きにせよ悪しきにせよ、今自分が身を置いている環境は少なくとも
慣れ親しんだもの。今までに周囲の人との間で築いた関係の中で、「仕事がツーカー」で進むといった部分や、
ため息ひとつ、愚痴ひとつこぼせるといった環境もやはり財産なのです。これが新しい環境に行けばできなくなるかも
知れませんし、自然な自分でいられるための環境づくりからしていかなければならないとしたら・・・割と面倒ですよね。
今の職場で気づいてきたもの、得てきたものは仕事的な成果だけではなく、同僚や取引先、またお客様との関係など、
目に見えないものがたくさんあります。
それらを犠牲にしてでも、転職をする価値があるのかどうかを今一度考えてみてください。
人間同士の世の中です。スキルや経験を生かした転職をしてもこのような周囲との環境構築作業は誰しも必ず行わ
なければならないもの。
それをわずらわしいと思ったら、今の環境で自分の不満を解決できる道を、また自分の欲求
を満たせる道を探すほうがベストなのです。
またお給料などの条件についても同様です。いくら、転職時に提示された額が望みどおりでも、新しい会社に行けば、
評価はゼロからのスタートです。今までの会社での目に見えない貢献が通じません。はじめはあくまで自らの仕事
の成果のみが評価の対象となるのです。いってしまえば、積み重ねが通じない世界。
転職で得るもののまぶしさで、今の会社で得たものがなくなるという事実が見えづらくなります。何を得て、何を
失うのか?この2つを天秤にかけ、バランスを見定めた上で転職活動を行うようにしたいものです。
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