業界研究
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商社業界 : 総合商社
1. 総合商社の仕組みと現状
物を作るメーカーを「川上」、販売する小売・流通業を「川下」と定義する場合、その間をつなぐいわば「川中」が商社の役割にあたります。
俗に「ラーメンからミサイルまで」と例えられるように、商社の持つ事業フィールドは多岐に渡っています。
昔から総合商社の事業の核となっているのは、メーカーから仕入れた商品を一般消費者や販売店などの小売業に売り渡す「卸売り業」です。
また総合商社各社はその豊富な資金力を利用してブランド品の輸入や土地や資源の開発といった国際的なビッグプロジェクトを行うほか、インターネットを活用した企業同士の取引の場を提供する「e-マーケットプレイス」、コンビニエンスストアと協同で消費者とネットショッピングを結びつけるEC事業にも注力。
また金融機能を備えたり、配当ビジネスに参入したりと、「総合商社=物資の調達役」という図式は崩れつつあります。
このように、豊富な資金力、情報力を武器に、広範囲にわたり事業を展開する総合商社は貿易大国日本特有の業態であるといえるでしょう。
2. 総合商社のこれから
現在は、中国等のアジア諸国の経済成長を背景が商社への追い風となっています。
また、資源・エネルギーの価格高騰により利益が拡大したおかげで、国内外で設備投資が活発となり機械やプラントも活況を見せ、大手各社は海外での資源・エネルギー開発に積極投資をしています。
但し、資源ビジネスは原油高の状況により情勢が変動しやすく、先行きが不透明な点が問題。次世代を見据えた収益構造の構築が今後の鍵となってくるでしょう。
また、原材料の輸入や製品の輸出を商社に依存していたメーカーもコスト削減の為、仲介手数料がかかる商社をはさまず原料提供者や小売業者と直接取引きする傾向が強まっています。
そこで商社は、商品の開発から資源調達、製造から販売までの全ての工程を効率的、且つ、その一元性に価値を付加するバリューチェーンマネジメントを推し進めています。
食品に例えるならば、商品の原材料や流通経路を消費者自身が確認し、安心して購入できるといった手法です。
時代の流れに敏感な商社は消費者ニーズとメーカーサイドのニーズに対し常に高いアンテナを持つ必要のある業態です。